ロボットケーブルとは、産業用ロボットに使用されるケーブルのことで、可動用ケーブルやFA用ケーブルとも呼ばれます。
ここでは、一見すると違いがわからない標準ケーブルとの違いやその構造、大電の特長、そのシェアまでわかりやすく解説します。
目次 1.ロボットケーブルとは - ロボットケーブルとは?標準ケーブルとの違い - ロボットケーブルの構造 導体について 絶縁について シールドについて シースについて 2.大電のロボットケーブルについて - 3つの特長 ①40年以上の実績とデータ(信頼性) ②カスタム設計でご提案! ③自社で材料開発! - 国内シェア 3.まとめ
動画でも本内容をご紹介しております⇩
ロボットケーブルとは
ロボットケーブルとは?標準ケーブルとの違い
ロボットケーブルとは、一言でいうと産業用ロボットのロボット機内や艤装等に使用されるケーブルのことを言います。(可動用ケーブルやFA用ケーブルとも呼ばれます)
一見すると、一般的な標準ケーブルと違いはないように見えますが、1点大きな違いがございます。
それは、、、
”ロボットケーブルには屈曲性・捻回性がある”
という点です。
垂直多関節ロボットやスカラロボット(水平多関節ロボット)の場合、各軸が人の腕のように動くため、そのロボットに配線されるケーブルには”曲げ”や”捻じり”の動きが加わります。
一般的な標準ケーブルだと、この”曲げ”や”捻じり”に耐えることができず、断線してしまいます。しかし、ロボットケーブルはこれら過酷な動きに耐えることができるように屈曲性・捻回性を付与した構造となっております。
この点が標準ケーブルと大きく異なります。

ロボットケーブルの構造
では、どのような構造となっているのでしょうか。
一般的な構造は下記の通りです。

各部の役割について紹介します。
導体について
導体は、電力や信号などの電気を送る役割を担います。
導体の材料に関しては、大電では、「抵抗が小さい点」「コスト面」「軽さ」3つの観点から「銅」を使用しております。
また導体の素線には髪の毛程の大きさの極細線を使用し、
その極細線を複数本撚り合わせ+さらにその束を
撚り合わせた構成となっております。
※右のイラスト参照
この構成にすることで標準ケーブルで使用される導体より屈曲性がアップします。
※標準ケーブルの場合、導体素線をそのまま撚り合わせた構造です

絶縁について
絶縁は、電気の伝導を遮断する役割を担います。
絶縁の材料には、断線防止の観点から「かたくてすべりのよいもの」を選定し使用しております。
仮に絶縁がやわらかいと、局所的に曲がってしまい早期断線につながってしまいます。
またすべりが悪いと、絶縁線心の集合状態が乱れて、断線の原因となってしまいます。

なお、大電ではかたくてすべりのよい絶縁材として、「特殊エラストマー」や「ETFE」等を使用しております。
シールドについて
シールドは、ノイズを防ぐ役割を担います。
シールドには、耐屈曲性やシールド効果等を総合的に判断し、編組シールドを採用しております。
なお編組シールドのケーブルには型式に「-SB」がつきます。
例)RMDH-SB、RMFEV-SB 等
シースについて
シースは、外傷を防ぎ耐油性を付与する役割を担います。
シースの材料には、難燃性や耐油性を考慮し、「難燃・耐油性PVC」を使用しております。
なお、大電では使用環境に応じて、特殊導体・特殊シールド・特殊シースもご用意しております。
詳細はこちらでご紹介しております。
大電のロボットケーブルについて
3つの特長
ロボットケーブルを製造するメーカーは大電含め日本だけでも複数社存在しますが、その中でも
「大電のロボットケーブルの特長は何なのか、、、?」
大電のロボットケーブルは大きく3つの特長があります。
40年以上の実績とデータ(信頼性)
大電では1982年にロボットケーブルの製造に着手して以来、40年以上、ロボットケーブルを取り扱っております。
左右曲げ・捻回・摺動それぞれの動きに対応した試験機を80台以上保有しており、過酷な試験を繰り返し行うことで蓄積されたノウハウや技術力は、大電のロボットケーブルの高寿命・高耐久を実現しております。

▼試験機に関しては、こちらで詳しくご紹介しております。
カスタム設計でご提案!
弊社HPに掲載しておりますラインアップ製品をもとに、お客様のご要望に応じてカスタム設計も行っております。
シリーズとしては、「RMDHシリーズ」「RMDVシリーズ」「RMFEVシリーズ」「RMCVシリーズ」がカスタム対応可能です。
例えば、画像のような、電源線と信号線の複合化や、複数ケーブルの一本化等、様々なご要望に対応可能です。


特に複数ケーブルの一本化については、ロボット機内等の配線スペースの狭い箇所に最適で、多くのお客様にご好評いただいております。
▼カスタム設計については、こちらのページで詳しくご紹介しております。
自社で材料開発!
お客様の使用用途に応じた最適なケーブル材料を自社で開発しております。
例えば、「RMDHシリーズ」は自社で独自開発した絶縁材である特殊エラストマーを使用しております。
このRMDHシリーズは、「ロボットを小型化したい、、、」「配線スペースを省スペース化したい、、、」といったお客様のご要望から生まれたケーブルで、ケーブル外径を細くするために絶縁厚を薄く被覆することができ、ケーブルの細径化=ロボットの小型化・配線スペースの省スペース化を実現します。

このように大電ではお客様のご要望を実現するために、自社内で材料開発も行っております。
▼業界トップクラスの細さを実現!RMDHシリーズの詳細はこちらでご紹介しております。
国内シェア
これら3つの特長をもつ大電のロボットケーブルは、大手ロボットメーカー様をはじめ各方面から高い評価をいただいております。
競争の激しい業界にありながら、国内シェアナンバー1を長年維持しております。
FAケーブル販売金額 国内シェア(2024年)

まとめ
如何でしたでしょうか。
今回はロボットケーブルの概要(一般的な標準ケーブルとの違い)や構造、3つの特長、国内シェアについてご紹介しました。本記事の内容を簡単にまとめております。
▼本記事のまとめ
- ロボットケーブルは産業用ロボット等に使用され、標準ケーブルと違い「屈曲性・捻回性」がある
- 構造は導体、絶縁、シールド、シースで構成される
- 大電のロボットケーブルは「40年以上の実績とデータ(信頼性)」「カスタム設計でご提案」「自社で材料開発」という特長があり、国内シェアNO,1
今回ご紹介したケーブルについては、弊社で各種様々なシリーズをラインアップしております。
また数あるシリーズの中から、お客様の最適なシリーズを選定できるページをご用意しております。
お使いいただく使用用途・条件をチェック頂くだけで、最適なケーブルシリーズを選定できます。
是非、ご活用下さい!

「最適なケーブルを提案してほしい」等のご要望ありましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。