大電のロボットケーブルは耐屈曲・耐捻回を考慮した構造で、屈曲寿命が高いケーブルとなっておりますが、小さな配線ミスで断線してしまう可能性があります。今回は不慮の断線を防止するポイントについてご紹介します。
目次 1.ロボットケーブルの配線について - ケーブルを取り出す際の注意事項 - ケーブルを配線する際の注意事項 - ケーブルを固定する際の注意事項 2.配線する際の注意事項まとめ
▼大電のロボットケーブルについて詳しく知りたい方は、まずはこちらをご確認下さい。
ロボットケーブルの配線について
お客様の使用用途に適したロボットケーブルを選定・使用していたとしても、配線時の小さなミスで思いがけない早期断線につながるケースがございます。
ロボットケーブルを安心してご使用いただくために、配線時のポイントをパターンごとにご紹介します。
ケーブルを取り出す際の注意事項
①ケーブルが捻じれないように取り出す
ロボットケーブルはドラム巻き、もしくはタバ巻きの状態で納入されます。
そのドラム巻きもしくはタバ巻きになったケーブルを取り出す際、ケーブルが捻じれないように取り出してください。
ケーブルが捻じれていると絶縁線心の撚りが乱れた状態となります。
その状態で可動させると、絶縁線心が座屈してしまい早期断線が発生し易くなります。
ケーブルが捻じれている場合は、無理にまっすぐにせず、撚りを解消し取り出しを行ってください。

ケーブルを配線する際の注意事項
②ケーブルが捻じれないように配線する
取り出す時と同様に、ケーブルが捻じれないように配線してください。
★捻じれを確認する際のポイント 黒色シースのケーブルの場合、捻じれているかどうか判断が難しい場合もあるかと思います。 この捻じれを確認できるように、大電のロボットケーブルには表面に「ー」を印字しております。▼捻じれている場合 「ー」の印字が捻じれています。 ▼捻じれていない場合 「ー」の印字がはまっすぐになっています。 捻じれているか確認する際、是非参考にされてください。
③適切な長さで配線する(ケーブルガイド)
ケーブルガイド内にロボットケーブルを配線する場合は、適切な長さで配線してください。
もし配線したケーブルが長すぎると、、、

- ケーブル同士が絡み易い
- ケーブルガイドとの摩擦が激しくなり、シースが破れ易い
といったトラブルが発生します。
反対に、配線したケーブルが短すぎると、、、

- 固定箇所で過度な張力がかかってしまう
- ケーブルガイドとの摩擦が激しくなり、シースが破れ易い
といったトラブルが発生します。
このようなトラブルを防止するために、適切な長さになるように、ケーブルガイドに曲げを加えた状態で、ロボットケーブルがガイド内の中央を通るように調整してください。

④スペースを空けて配線する(ケーブルガイド)
他にも、ケーブルガイド内にロボットケーブル配線する場合は、スペースを空けて配線してください。
もし、下記イラストのように多数のロボットケーブルをスペースなく配線してしまうと、ケーブル同士が干渉し早期断線につながる可能性があります。

早期断線を防止するために、下記表を参考に必ずケーブル(エアチューブ)間のスペースは空けて配線いただければと存じます。
上下方向 | ケーブル外径の20%(min 2mm) |
左右報告 | ケーブル外径の10%(min 1mm) |

また、上記以外にも「仕切り版を使用する」「フラットケーブルに変更する」といった対策もございます。
仕切り版を使用する
仕切り版があることで、ケーブル同士の干渉を防ぐことができます。

フラットケーブルに変更する

フラットケーブルとは複数のケーブルを融着 or 接着加工したケーブルです。
このフラットケーブルに変更することで、ケーブル同士が絡まる心配はありません。
▼フラットケーブルの仕様はこちらからご覧になれます
ケーブルを固定する際の注意事項(ロボットの機内等)
⑤固定は必要最低限にする
ロボット機内等へ複数のケーブル・チューブを配線する場合、結束バンド等でまとめて固定することもあるかと思います。
その際、ケーブルが動く部分の固定は避けて、必要最低限に留めていただければと思います。
もしケーブルが動く可動部分を固定してしまうと、固定した部分にストレスが集中するため、早期断線の原因となります。

ロボットケーブルの固定は必要最低限にしてください。
配線する際の注意事項まとめ
如何でしたでしょうか。
今回ご紹介した配線時のポイントについては、下記まとめております。
▼配線時のポイント
- ケーブルを取り出す or 配線する際、ケーブルが捻じれないようにする
- ケーブルガイドに配線する際、適切な長さのケーブルをスペース空けて配線する
- ロボット機内等に複数のケーブル・チューブを固定する際、固定は必要最低限にする
ロボットケーブルの配線に関する、不明点・お困りごと等ございましたら、お気軽にお問合せください。
▼断線を防止するための推奨曲げ半径(曲げR)についてご紹介