お客様にロボットケーブルを安心して使用いただくために、大電では推奨曲げ半径(※推奨曲げRとも言います)を設定しております。
今回は各ケーブルの推奨曲げ半径と、厳しい使用条件下で使用できる最適なシリーズをご紹介します。
目次 1.推奨曲げ半径について - 推奨曲げ半径とは? 2.各シリーズの推奨曲げ半径について - RMFEVシリーズ・RMCVシリーズの推奨曲げ半径 - RMDHシリーズ・RMDVシリーズの推奨曲げ半径 3.厳しい使用条件下でロボットケーブルをご使用した場合 - 小R高耐久ロボットケーブル RM205シリーズのご提案 4. まとめ
推奨曲げ半径について
推奨曲げ半径とは?
大電のロボットケーブルは耐屈曲・耐捻回を考慮した構造となっておりますが、厳しい条件で使用すると、絶縁体の絶縁割れやシース割れ、線心の座屈が発生する可能性があります。

このような断線を防止する観点から、大電では各ロボットケーブルのシリーズごとに推奨曲げ半径を設定、この推奨曲げ半径下で実施したロボットケーブルの耐久試験は、2,000万回以上の結果を確認しております。
各シリーズの推奨曲げ半径について
それでは各シリーズの推奨曲げ半径について、ご紹介します。
RMFEVシリーズとRMCVシリーズの推奨曲げ半径
RMFEVとRMCVの推奨曲げ半径は、「絶縁線心径(d)の33倍以上、かつロボットケーブル仕上り外径(D)の6倍以上」となります。

絶縁線心径(d)は、ケーブルの中に配線した絶縁線心1本あたりの外径で、仕上がり外径はケーブル全体の外径を差します。
例えば、RMFEV(2517) AWG28/4Cの場合、絶縁線心径は0.81mmで、仕上がり外径は4.1mmとなります。
それぞれ計算すると、、、
絶縁線心径 : 0.81mm × 33 = 約27mm
仕上がり外径 : 4.1mm × 6 =約25mm
となります。
よって、RMFEV(2517) AWG28/4Cの推奨曲げ半径は「27mm」となります。
RMDHシリーズとRMDVシリーズの推奨曲げ半径
RMDHとRMDVの推奨曲げ半径は、「絶縁線心径の33倍以上、かつロボットケーブルの仕上り外径6倍以上 ※Rが40mm以下の場合は、推奨曲げRは40mm」となります。

例えば、RMDH(21885) AWG28/4Cの場合、絶縁線心径は0.81mmで、仕上がり外径は3.1mmとなります。
それぞれ計算すると、、、
絶縁線心径 : 0.81mm × 33 = 約27mm
仕上がり外径 : 3.1mm × 6 =約19mm
となります。
ただし、どちらの数値も40mm以下であるため、RMDH(21885) AWG28/4Cの推奨曲げ半径は「40mm」となります。
▼各製品ごとの推奨曲げ半径について、各シリーズを紹介した製品ページからご覧になれます。
※仕様表の一番右にある「推奨曲げ半径」に記載
厳しい使用条件下でロボットケーブルをご使用したい場合
小R高耐久ロボットケーブル RM205シリーズのご提案
上記で各シリーズごとの推奨曲げ半径をご紹介してきましたが、お客様の使用環境によっては、推奨曲げ半径以下の厳しい条件で使用しないといけないケースも出てくるかと思います。
そのような厳しい条件で使用する場合、大電では「RM205シリーズ」をご提案します。

このRM205シリーズは小さい曲げRでも耐久性を有する大電のロボットケーブルシリーズで、推奨曲げ半径は
絶縁線心径の20倍以上、かつロボットケーブルの仕上り外径5倍以上を実現しております。
例えば、RMFEV(2517) AWG28/4Cの推奨曲げ半径は27mmですが、同じサイズ・心数であるRM205(c21885) AWG28/4Cの場合、推奨曲げ半径は19mとなります。

また耐久性に非常に優れており、厳しい条件下で実施したRMFEVシリーズとの比較試験結果は下記の通りです。
ケーブル | 試験 | 条件 | 試験結果 |
---|---|---|---|
RMFEV-SB(2517)AWG30/2P | 左右屈曲試験 | R=15mm | 5,000万回断線 |
RM205-SBX(c21885)AWG30/2P | 左右屈曲試験 | R=15mm | 1億回以上 |
RMFEV-SB(2517)AWG24/4P | 捻回試験 | L=100mm ±180℃ | 3,000万回断線 |
RM205-SBX(c21885)AWG24/4P | 捻回試験 | L=100mm ±180℃ | 1億6,000万回以上 |
ご覧の通り、RM205シリーズは厳しい条件下で非常に優れた耐久性を有していることがわかるかと思います。
詳細については、RM205シリーズの製品ページに掲載しておりますので、是非ご覧下さい。
▼RM205製品ページ
まとめ
如何でしたでしょうか。
今回は大電ロボットケーブルの推奨曲げ半径についてご紹介しました。本記事の内容を簡単にまとめております。
▼本記事のまとめ
- 大電では各シリーズごとに推奨曲げ半径(推奨曲げR)を設定
- 各シリーズの推奨曲げ半径は、RMFEVシリーズとRMCVシリーズは「絶縁線心径の33倍以上、かつロボットケーブルの仕上り外径6倍以上」、RMDHシリーズとRMDVシリーズは「絶縁線心径の33倍以上、かつロボットケーブルの仕上り外径6倍以上 ※Rが40mm以下の場合は、推奨曲げRは40mm」となる
- 厳しい条件で使用する場合は、RM205シリーズが最適
この推奨曲げ半径についてご要望等ありましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。